弘南鉄道の撮影後、カシオペア回送の迎撃ポイントを偵察しながら大館方面に南下します。
有名な白沢〜陣場カーブのポイントに久しぶりに行ってみましたが…
道路から撮影。樹木がわんさか成長していて、線路は木々の合間にわずかに見えるだけ…こうなるともうダメですね。
道路を挟んだ背後の山に登り、見下ろすように撮影という手もあるかもですが、そこもマトモに撮れるかどうか。熊も出るし…
ということで白陣カーブは断念。冬眠明けの熊を警戒すると陣場周辺も危ないし…。
そこでまだ訪問したことがなかった津軽湯の沢駅に偵察がてら行ってみました。
駅舎。秋田〜青森の県境付近に位置します。
近くを国道7号線が通っていますが、駅周囲には人家はほとんどなく、冬季は駅自体が休止。
すぐそばを流れる沢の音と、時折野鳥の囀りが響き渡り、長閑な雰囲気です。いわゆる秘境駅ですねー
待合室。割と立派な造りです。チャチな造りだと雪の重みで倒壊しますしね。
2時間に1本程度。ほとんど利用客はいないだろう…と思ってうろついていたら、何と利用客が!少し離れた集落の住民かな。
たった一人でも利用客がいると、このような秘境駅でもちゃんと役に立っているんだな…と感慨深いものがあります。
大館方面を望む。駅構造は2面2線。緩くカーブしています。奥には3000m近い長大な矢立トンネル。
駅のそばには配電設備があり…
その奥には樹木に覆われたアーチトンネル。奥羽本線の旧線の遺構か? あとで調べてみたところやはり旧線の遺構のようです。
ここ矢立峠(陣場〜津軽湯の沢)は秋田〜青森を結ぶ交通の要衝。他のルートは日本海沿いの大間越(五能線沿線)くらいなので、津軽方面に抜ける道としては唯一です。当然鉄道もここを通るしかなく、複数のトンネルや橋梁を駆使して峠を超えていました。ルートはほぼ国道7号に沿った形だったようです。
ただし勾配は厳しく、峠越えの列車は補機のアシストを受けて登坂。貨物列車などはSL三重連で牽引していたようで、晩年は大勢のSLファンが集結したとか。
その厳しい線形を改善すべく、矢立トンネルなどが整備されて複線電化。津軽湯の沢駅は緩くカーブしていますが、旧線は青森側からそのまま直進し峠を越えていたようです。
いまでも旧線のトンネル、橋梁は残っているようで、湯ノ沢駅近くの遺構も旧線のものでしょう。以前は国道7号を跨ぐ橋梁も残っていたようですが、老朽化のためか数年前に撤去されたようです。踏破する廃墟マニアもいるみたい。ちょっと興味はありますが…生半可な覚悟では危険でしょうね。
かつての旧線との分岐点であるカーブを曲がりながら701系が入線。数少ない普通列車ですが、降り立ったのは同業者のみ…
一方の大館方面。矢立トンネルに向けて真っ直ぐ延びています。周囲を森に囲まれているため背景が落ち着き、トンネルも良いアクセントに。単純な直線ですが良いポイントです。
E751系「つがる」通過。いまやこの区間で運行される唯一の優等列車。
なかなか良さげな場所なので、ここでカシオペアを迎撃します。
(続)